カテゴリ:八十郎の物語( 1 )

八十郎はどこから来たのか?
いつから豊島に棲み始めたのか?
藤さんも僕も「八十郎、八十郎」と言うけれど、八十郎のことをほとんど何も知らない。
八十郎は何歳なのか。年齢不詳の表情と、はにかむように無言の笑みが質問を躊躇させる。
どこから来たのかもわからない。

知っていることはごくわずか。
絵本作家になりたくてものがたりを探している。
ものがたりを考えたいけど、ちっとも話を思いつかず、途中までできた話をしどろもどろになって話す。お話をしに行ったはずなのにうまく話ができなくて、島の人にいろんな話を教えてもらい感心して家に帰る。

鳥が好きで、鳥の絵を描こうとしている。
いつも海を眺めている。
海が好きだし、ここではないどこかのお話を考えるのには海を眺めるのが一番だからだ。

豊島の海からはたくさんの島が見える。
海辺で「あの島はなんという島ですか?」と人に尋ねて島の名を教えてもらうのだが、何度聞いても覚えられない。

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