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島の人に学ぶこと

言語は認識の道具。ヒトの世界を認識は言語によって行われる。地名は世界の認識のあり方。
瀬戸内海の女木島と男木島という対の地名が、土地の孤独とつながりを示している。連鎖する関係によって土地が成立していることを示している。ひとつの島の1という個が、すべてをつなぐ海によって連結し、数え切れないほどの複数に連なる。自分の立つ土地とは別の土地を常に見ながら暮らす人たちがいる。
そして豊島は字義通りの豊かな島。山があり、森がある。島には珍しく水があふれる。鳥が舞う島。豊かな島に学ぶことはいくらでもある。だけれども人の一生には常に限定性、一回性がつきまとう。だからこそ、別の誰かに学ぶことは限りがない。旅人と移り住む人は島の人に学ぶべきだ。島の地水火風の恵みを体ごと受け取り、よりよく活かす人たちの存在が島の呼吸をつくっている。契約書による所有とは違う、土地を自分のものにしていくのは体験が約束する。歩けば歩くだけ土地は自分に近づいてくる。知れば知るほど、わからないことも増え、別のどこかとつながっていく。
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